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ご挨拶

「つくることが生きること」

震災によって変わった風景と変わらない風景とがあります。人間がつくり出し、自然に逆らうように存在しているものと、寄り添うように存在しているもの。変わらないことが正しいのか? 変わることが正しいのか? 今、私たちはその創造力と決断力を問われています。

私は戦後の焼け野原は経験していませんが、今回の東日本大震災という未曾有の経験は、私たちに国家やその仕組みのあり方を問い正し、もうひとつの価値や考え方に気づきを与えてくれていると思います。「失うものが何もなくなり、つくることが生きること」となった今だからこそ、想像を絶する果てしない宇宙の渦の中で、今ここに「わたし」が存在していることの確かさをいかに感じ取るのかが大切なのです。

『わわプロジェクト』とは、そのためにも絶望をエネルギーに変え、創造力をもって表現・活動する人たちを支えるプラットフォームとして起動しました。変わることも変わらないこともすべて、創造のプロセスとして受け止めることから始めたいと思います。

本展は、15人の復興リーダーへのインタビュー、78の支援活動の紹介、16のイベントで構成しています。様々な支援活動の中でアーティストやデザイナー、建築家などクリエイティブな仕事をしている人たちは、どのような活動をしていたのでしょうか? 支援活動の全体感が見えにくい現状で、本展がお互いの活動を理解し、協力・連携しあえる関係をつくる契機となればと思います。そして長期化するそれぞれの支援活動には、資金面でのサポートも多く必要です。是非、本展において共感する復興活動にご寄付や協賛金によるご支援をお願い申し上げます。

また、本展は「Artsonje Center」(韓国/ソウル)、「Chung Shan Creative Hub」(台湾/台北)の協力で同時期に開催しています。東日本大震災の体験を、私たちの問題としてだけではなく地球規模の課題として捉えるため、展覧会を通じて現在の切実な社会メッセージを伝えていきたいと思います。そのためにも、震災でなにが起こり、どんな支援活動が必要であったのか? 私たちは、1年を迎える今だからこそ、事実を検証し、心と記憶に刻まなければなりません。

2011年3月11日以降、数字や言葉では表現しきれない事柄が起き、多くの人々の心や生活を変化させました。そしてまだ被災された方々の生活が、震災前に戻れていない現実があります。被災地の1日でも早い復興をお祈り申し上げるとともに、少しでも何かできることを続けてまいりたいと思っております。

最後に、関係者の方々、本展に参加されます皆様の多大なるご協力とご支援により本展が開催できますことを深く感謝申し上げます。

わわプロジェクト
ディレクター
中村 政人

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